近年のCMOSカメラは高速化・高解像度化が進んでおり、マシンビジョン設計者は難しい選択を迫られているように見えます。GigE Vision規格のインターフェースには、ネットワーク機能、ケーブルの長さ、PCとの直接接続など多くのメリットがありますが、GigE Visionの帯域幅が狭いため、フレームレートは低くならざるを得ません。また、CoaXPress、Camera Link、10GigE Visionなどの大容量インターフェースに移行することも可能ですが、こうした技術には高いコストと複雑な作業が求められます。
JAIのXpressは、GigE Vision規格のメリットを活かしながら、通常の帯域幅でフレームレートを向上させる第3の選択肢となります。
Xpressとは?Xpressは、画像データのサイズを小さく抑えながら、後にホストPC上で完全に復元する前のロスレス圧縮アルゴリズムを採用しています。画像の冗長性の原理を利用して、カメラのFPGAで圧縮します。
具体的には、Xpressアルゴリズムは、画像を小さな画素ブロックに分解し、同じ画素パターンを持つ画像内の他のブロックを探します。冗長なブロックを短いコードで表現することで、カメラから出力する前のエンコードされた画像データの総サイズを大幅に削減できます。
画像サイズが小さくなるため、GigE Visionの帯域を利用した高速なフレーム転送が可能になります。高速化は画像の冗長性に依存し、極めて変化の激しい画像はそれほど高速化しませんが、均質性の高い画像では最大300%まで高速化します。例えば、画像ファイルのサイズを30%小さくすると、GigE Visionの標準的な接続に比べて約42%のフレームレート向上が期待できます。
また、Xpressはファイルサイズが小さいため、現在のフレームレートを維持したまま、同じネットワーク上のカメラ台数を増やすことも可能です。
ロスレス解凍エンコードした画素データを元の画素パターンに置き換えることで、送信画像の画質や細部を劣化させることなく完全に復元することができます。Xpress解凍ライブラリでアプリケーションコードに数種類の関数を組み込むだけで、GigE Visionのデータを簡単に解凍し、画像処理ルーチンに使用できます。
Xpress解凍ソフトはJAIのウェブサイトからダウンロード可能です。
JAI XpressカメラXpressロスレス圧縮機能は、Sony Pregius S CMOSセンサを搭載したJAI Go-Xシリーズのカメラに標準装備されています。Xpress搭載カメラの基本解像度は5.1メガピクセル~24.5メガピクセル、標準フレームレート(非圧縮)は23fps~4fpsです。
詳しくはGo-Xシリーズのページをご覧下さい: www.jai.com/jp/go-x-series
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