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マシンビジョン インターフェースの概要

はじめに

この数十年で、数多くのマシンビジョンインターフェースが開発されてきました。 そして、世界各国のメンバーで構成されたさまざまな研究グループや作業部会が会合を行い、そうしたインターフェースの定義と維持を行ってきました。 グループや部会では、カメラやフレームグラバー、PCなどのメーカーからのニーズ対応に注力するとともに、マシンビジョン市場での適用事例に特化した要望にも応えるべく取り組みを行ってきています。

これまでに策定されてきたビジョン規格としては、IIDC Standard for Firewire(1996年リリース)、Camera Link(2000年リリース)、GigE Vision(2006年リリース)、USB3 Vision(2013年1月リリース)、CoaXPress(2010年リリース)などがあります。最近では、埋め込みビジョン向けのMIPI CSIインターフェースが、埋め込みシステムに基づくまったく新しい未来のアプリケーションセットの地位獲得に向け、勢いを増しています。

このガイドでは、人気の高いマシンビジョン向けインターフェースの概要について紹介するとともに、いくつかの重要なメリット、課題、一般的な適用事例にも注目します。 なお、PCI ExpressインターフェースやHDMIインターフェースなど、カメラ向けとしては非常に特殊なインターフェースは取り上げていません。HDMI(高精細度マルチメディアインターフェース)は、2002年に開発された音声/映像用のインターフェースで、。 真の意味での「データ」インターフェースではなく、非圧縮映像データや圧縮または非圧縮音声データを、HDMI準拠機器からモニターやテレビ、その他の出力機器に転送するためのリアルタイム信号伝達インターフェースです。一方、カメラ機器での利用も多少は見られるPCI Expressインターフェースは高速シリアル規格であり、主にコンピュータのマザーボードでハードドライブやグラフィックカードなどのさまざまな周辺機器を接続するためのインターフェースとして使用されます。

Interface Tech Guide Introduction FINAL
人気の高いマシンビジョンインターフェース
Machine Vision Interfaces Tech Guide Icon
第1章 産業用マシンビジョン向けGigE Visionインターフェース

ギガビットイーサネットインターフェースは、2006年にGigE Visionインターフェースとして産業用マシンビジョンの世界に登場しました。 インターネットプロトコル(IP)規格に基づき、映像とそれに関連する制御データを、ギガビットイーサネットネットワーク上で伝送するフレームワークを提供するというものでした。黎明期には、各メーカーが独自開発のドライバ(ほとんどがUSB 2.0インターフェースに基づくもの)を提供していたことから、 さまざまな機器間の相互互換性の実現は困難であり、高度な調整が必要でした。

それ以来、GigE VisionはAutomated Imaging Association(AIA)の管理のもとで広く一般化した規格となり、この規格ではイーサネットのネットワーク技術の継続的な進化を活用することが可能となっています。 GigE Vision規格はさまざまなプロトコルを統合するものであるため、ハードウェア機器とソフトウェアとの相互接続性を向上させることができます。その結果、低コストの標準的なケーブルを使った極めて長距離での高速画像転送が実現します。それが、マシンビジョン業界で特に普及したインターフェースへと成長できた理由です。

もっとも多く設置されているGigE Visionカメラは、元の1000BASE-Tイーサネット実装に基づくもので、1 Gbpsの合計帯域幅を実現しています。ますます多くの新型GigE Visionカメラが、さらに高速なGigEインターフェースを搭載するようになっています。通称NBASE-T(速度は2.5 Gbpsまたは5.0 Gbps)や、最大10 Gbpsでの画像データ転送機能を備えた10GBASE-T(別名10GigE)などです。

GigE connector
GigE Visionインターフェースケーブル
  • 10GigEインターフェースを備えることのメリット:

    • GigE Visionは、データセンターおよびITインフラストラクチャ向けの転送データ規格を基盤としています。 つまり、核となっている技術が、Google、Cisco、IBM、IntelといったイーサネットITビジネスの中心にいる企業によって、継続的に改善され強固なものになっているということです。

    • GigE Visionに準拠したソフトウェアとハードウェア機器は広く世に出回っているため、ネットワーク全体の統合が極めて容易です。それにより、マシンビジョンアプリケーション向けの優れた拡張性と柔軟性を得やすくなります。

    • フレームグラバーが不要です。大半のシステムが、標準的なネットワークアダプタカードを使ってGigEや10GigEをサポートしています。 これらは安価で多くのベンダーから入手できるため、システムコストの削減に寄与します。

    • ケーブルや保守のためのコストも削減できます。 GigEケーブルは、ITハードウェアを扱う店舗で容易に入手できます。Tケーブルやその他のネットワークコンポーネントは交換も簡単で 保守の手間が少ないため、在庫を少なくすることができます。

    • 長いケーブル長での運用が可能です。 10GigE接続には、標準的なツイストペアの銅線ケーブル(Cat 6、Cat 6e、Cat 6a、Cat 7)がすべて使用可能です。Cat 6とCat 6eは最大55 m、Cat 6aとCat 7は最大100 mの長さのケーブルに対応します。

    • GenICamに基づいているため、プログラマが一貫性を保ちやすく、標準ピクセル形式を利用でき、GenICamベースの他のインターフェースとの相互運用性が向上します。

    • 10GigEとGigE Visionは複数映像のストリーミングに対応しているため、同一のインターフェースを使用して2つ以上の映像の並列ストリーミングを行うことが可能です。特に、マルチセンサーカメラやマルチプロセッサアーキテクチャにおいて実用的な機能です。

    • GigE Vision 2.0規格にとって不可欠な要素であるPrecision Time Protocol(IEEE 1588)をサポートします。マシンビジョンアプリケーションでの複数のカメラシステムの使用が増え続ける中、アプリケーション内のさまざまなビジョンコンポーネントと非ビジョンコンポーネントとの間の正確な同期は、ジッターやその他の非同期効果を最小限に抑えるうえで重要な役割を果たします。それを実現するのがPrecision Time Protocol(PTP)です。

    • ネットワークのオートネゴシエーションをサポートする形で実装できます。 これにより、10GigEでの1000BASE-T(1 Gbps)とNBASE-T (2.5および5 Gbps)との後方互換が可能になるため、ユーザーがさらに高速なGigEに移行しやすくなります。

  • 課題

    • すべてのGigE Visionインターフェースが、IPネットワーク構成に関連したレイテンシの問題を抱える可能性があります。低レイテンシと低ジッターは、高速かつリアルタイムのアプリケーションにとって極めて重大なものとなり得ます。ホストコンピュータやリソース共有(バス、メモリ、CPU、OS、イメージングコア、グラフィックライブラリ間での共有)に焦点を絞ったネットワーク最適化によってレイテンシの問題は最小化できますが、完全に排除できるわけではありません。

    • ネットワークの複雑さやネットワークの帯域幅制限に、多少なりとも対処する必要があります。たとえば、マルチカメラのアプリケーションには必ずIPアドレスを割り当てなければなりません。これは真の「プラグアンドプレイ」モデルとは正反対です。 加えて、マルチカメラのアプリケーションでのネットワーク帯域幅の共有では、複雑なパケット遅延設定が必要な場合や、高速アプリケーションをサポートするための十分な帯域幅がない場合もあります。

    • 新しいマルチストリームカメラは、サードパーティのソフトウェアツールで完全にはサポートされていない場合があります。マルチストリーミングはGigE Vision規格に含まれているものの、カメラでの使用はまだ比較的新しい段階なのです。 マルチストリーミングが要求される場合は、その機能をフル活用できるよう、マルチストリームアプリケーション構築用のサンプルコードが含まれたSDKを提供可能なカメラベンダーを選定することが重要です。

    • 電源とトリガー実行用に別々のケーブルが必要になる場合があります。パワーオーバーイーサネット(PoE)は以前から従来型の1000BASE-T(1 GigE)カメラに広く実装されており、 ケーブル1本での電源供給とデータ転送が可能です。しかし、多くのカメラでイーサネット経由でのトリガー実行がサポートされていないため、その機能の実現はGigE Vision 2.0規格のリリースを待つこととなりました。そのため多くのアプリケーションで、たとえPoEがサポートされていても、2本のケーブル、2つの接続が必要だったのです。このことは、10GigEカメラにとってより大きな課題となります。最大消費電力が、PoE規格の基本制限である12.95 Wを超える場合があるためです。消費電力制限が25.5 WであるPoE+(IEEE 802.3at)というオプションもあるものの、実装が複雑で高価になることから、多くの10GigEカメラが、2つ目の接続を電源と入出力に使用する形でケーブル2本のアプローチを採用しています。

  • 一般的な適用事例

    GigEがほぼすべての最先端ITハードウェア機器に組み込まれているという事実、 そして特別なフレームグラバーハードウェアを必要としないという事実が、GigE Visionに極めて人気の高いマシンビジョンインターフェースとしての地位を与えてきました。GigE Visionは、特に次のような適用事例において広く利用されています。

    • モノのインターネット(IoT)およびインダストリ4.0: 機器の相互接続性が、インダストリ4.0の中心をなす特徴です。デジタル産業技術の勃興により、複数のシステムにわたってデータを収集し分析することが可能になりました。人気を集めている適用事例をいくつか挙げると、積層造形および生産プロセス、インテリジェントなロボット自動化システム、品質の管理および監視といったものになります。

    • 一体型ビジョンシステム: GigE Visionベースのシステムは、厳密にはプラグアンドプレイの仕組みとはなっていません。ネットワーク化されたシステム内でIPアドレスを設定してからでないと、システムが円滑に動作しないからです。 とはいえ、分類上は一体型ビジョンシステムとなります。用途としては、自動車産業、半導体産業、食品の仕分けおよびリサイクル、工業品質管理室、医療診断、交通システムおよびスピード違反取り締まり、キャリブレーションおよびアライメント用機器などがあります。

    • スタンドアロンのビジョンシステム: 他のシステムとの相互接続性を持たないシステムです。このシステムは主に、小さめの部品の検査に用いられているほか、小規模メーカーによって、規模の小ささという制約を克服するための武器として利用されています。また、補助的な検査ユニットの役目を果たすことも多くなっています。使用の典型例は、自動車部品の検査や顕微鏡検査です。

    • インテリジェントなビジョンシステム: ここに含まれるものとしては、深層学習アルゴリズムに基づくリアルタイムのAIや意思決定向けの埋め込みシステムアーキテクチャなどがあります。典型的な適用例は、インテリジェント農業、食品仕分け、自動車部品の検査などです。

第2章 Short form-factor pluggable plus (SFP+)

前章では、10GigEインターフェースには標準的なツイストペアの銅線ケーブルが使われているものとして説明しました。しかし、10GigEには光ファイバインターフェースも使用できます。 SFP+インターフェースモジュールは、主に通信やデータ転送に用いられるSFP(Short Form-factor Pluggable)モジュールから派生して生まれたものです。 アプリケーション要件に応じ、極めて多種多様なSFP+モジュールが、250~2,000ドル(およそ210~1,700ユーロ)の価格帯で入手可能です。SFPが通常サポートする速度は、1 Gbpsのみです。 一方、SFP+の仕様は2006年にリリースされたもので、速度10 Gbpsをサポートしています。ほとんどの場合、物理的な接続層は光ファイバです。

SFP規格とSFP+規格に対して、以下の規格が適用されます。

Interface Tech Guide Chapter2
SFPおよびSFP+に適用される規格

JAIの10GigEカメラのSFP+モデルはGigE Visionプロトコルを基盤とし、最大10 Gbpsの帯域幅をサポートします。そのため、前述の表のとおり、1000BASE-SX規格と1000BASE-LX規格はSPF規格(1 Gbpsの帯域幅のみ対応)であることからサポートされません。

  • GigE Visionプロトコルに基づく光ファイバ物理層のメリット

    • 10GBASE-SR規格に基づく送受信機は、極めて長い伝送距離(最大10 km)に対応できます。非常に長いケーブル長は、産業現場や屋外環境において有用です。

    • 光ファイバの場合は、伝送ノイズが極めて少なく、長距離でも安定しているうえ、大規模な工場環境で機器から発生することがあるEMIやRFIなどの外部ノイズ源への耐性も高くなります。

    • データプロトコルがGigE Visionであることから、データパケット管理もこの確立された規格に基づいて行われます。

    • 固定的なインターフェース(標準イーサネットコネクタなど)に比べ、SFP+システムでは適合するどんな種類の送受信機でも搭載可能です(前述の表を参照)。

    • 光ファイバは、非常に長いケーブル長でも安価です。

    • GigE Visionプロトコルがサポートするすべての機能が、マルチストリーミング、PTP、チャンクデータなどの10GigEベースのSFP+モデルでサポートされます。

  • 課題

    • SFP+送受信機は1 GbpsおよびNBASE-T速度との後方互換性を持たないため、ネットワークとのオートネゴシエーションが不可能です。

    • 送受信機、パッチパネル、距離延長器の選択次第では、システム全体のコストが非常に増大することがあります。ただし多くの場合、このようなネットワークアーキテクチャを求める顧客はそういったコストを承知しています。

    • ファイバケーブルは壊れやすく、適切な取り扱いが必要です。

    • トリガー実行やエンコーダ制御などの機能の管理には、追加のケーブルが必要です。光ファイバの用途は純粋に物理的な移送のみであり、業務に特化した追加のカメラ機能は、カメラに接続された追加ケーブルを使って実行しなくてはなりません。

  • 一般的な適用事例

    • 長距離での屋外利用: 鉄道用線路の検査やコンテナに格納された商品の検査など、屋外での適用事例の多くで非常に長いケーブルが必要となります。また、イメージングモジュールがPCやデータ処理モジュールから遠く離れて配置されている場合も少なからずあり、 悪条件の中でも安定したデータ転送が求められることから、SFP+送受信機と光ファイバを組み合わせて使用するのは有利と言えます。

    • 長距離での屋内利用: 産業現場の適用事例の中には、紙の製造などのように、一辺が100 mを超えるような極めて大きな機械が必要なものもあります。そこでは多くの場合、検査ユニットは紙の製造の心臓部にあたる、高温多湿のエリアに置かれます。また画像処理の拠点はたいてい、遠くにある制御室付近に配置されます。

    • 静電気環境: バッテリーの検査や、その他の電子機器の検査といった適用事例の現場では強い静電気を伴いますが、ツイスト銅線のギガビットイーサネットは、電気伝導率が高いため使用することができません。 ツイスト銅線のギガビットイーサネットは、電気伝導率が高いため使用することができません。そのため、光ファイバケーブルが優れた選択肢となります。

SFP modules 80dpi
JAIのSFP+インターフェースカメラがサポートするSFP+モジュール

上記に加え、Mellanox Technologies製ConnectX-3 ProシングルポートSFP+(MCX311A-XCAT)、Intel製イーサネットコンバージドネットワークアダプタ(X710-DA2)、Kaya製Komodo 4xSFP+フレームグラバーも、JAIのSFP+カメラモデルによるテスト済みです。

第3章 CoaXPress (CXP)

マシンビジョン向けCXP規格は、長いケーブル長での非常に高いデータレートを実現するために作られたものです。CXP規格の策定は2008年に初めて発表され、最初のバージョンであるCXP 1.0が2011年初頭にリリースされました。続いて、CXP 1.1規格が2011年末にリリースされ、2013年に更新されました。更新版には、当初規格に対する改良および追加機能がいくつか含まれていました。 最新規格のCXP 2.0は2019年にローンチされたもので、さらに高速化し、新機能も備えています。 下記の表に、CXP規格のバージョンごとの違いを簡単にまとめています。

Interface Tech Guide Chapter3
産業用マシンビジョン向け各種CXP規格の概要

前述の表の内容に加え、機構レベル、電気レベル、プロトコルレベルでこれまでに多くの改良が加えられ、規格の実装はより簡単で信頼性の高いものになっています。

4 lane CXP cable
4レーンDIN CXPケーブル
2 lane CXP cable
2レーンDIN CXPケーブル
1 lane CXP cable - DIN
シングルレーンDIN CXPケーブル
1 lane CXP cable - HD BNC
シングルレーンCXPケーブル– HD BNC
  • CXPインターフェースのメリット

    • 高いスループットが実現します。最新規格のCXPでは、マシンビジョンアプリケーションにおいては最高となるローデータのスループットが実現します。1つの4xCXP-12接続で50 Gbps(各レーン12.5 Gbps)の速度を出すことができます。

    • 複数のハイスピードカメラを効率的にサポートします。 CXPの高帯域幅とマルチレーンアーキテクチャは、複数のハイスピードカメラや高解像度カメラを使用する適用事例にうってつけです。最大で4台のカメラを4xCXP-12フレームグラバーに接続できるため、シンプルな2地点間構成では各カメラに12.5 Gbpsの専用帯域幅を割り当てられます。

    • 複数処理が簡素化されます。CXP 2.0規格では、1台のカメラからのデータを複数のフレームグラバー(それぞれが別々のPC内に取り付けられた環境を含む)に簡単に分割または複製できる同報機能が導入されました。

    • 長いケーブル長(ただしGigE Visionよりは短距離)をサポートします。実装された規格と帯域幅により、同軸ケーブルの最大使用長は200 m超(CXP-1)から約30 m(CXP-12)となっています。また、このケーブル長は、より太い同軸ケーブルや光ファイバベースの延長器を使用することで、さらに延長可能です。

    • 静電ノイズが少ないという特性があります。

    • トリガー実行と電力供給の両方を1本のケーブルでサポートします。 PパワーオーバーCXP(PoCXP)では、1レーンあたり24 V、13 Wを供給可能です。さらにCXP規格には、フレームグラバー経由でのトリガー実行や機器制御を行うための低速アップリンクチャネルも含まれます。

    • レイテンシとジッターが極めて小さいという特性があります。フレームグラバーにもよりますが、CXPのトリガー実行では通常、レイテンシは5マイクロ秒未満でジッターは数ナノ秒です。 これは、GigEネットワークのレイテンシが問題を発生させかねない、多くの産業用高速マシンビジョンアプリケーションにとって、重要な機能です。

    • 幅広い規制承認を得ています。CXP規格では、高速での利用に、標準的な同軸ケーブルを使うことから、医療やライフサイエンス、防衛産業など、規制の厳しい業界や適用事例でも使用可能です。アナログシステムで使われているケーブルと同じアーキテクチャのため、アナログからデジタルへの移行がより簡単です。

    • GenICam規格をサポートしています。 このことは、CXP規格の土台であり続けてきました。そして、複雑なデータをストリーミングしている別々の機器同士のデータ管理や互換性の面でも重要です。

    • CXPケーブルは、Camera Linkケーブルよりもコスト効率に優れます。CXPケーブルは一般的にはイーサネットケーブルよりも高価であるものの、もう1つのフレームグラバーベースのインターフェースであるCamera Linkに必要なケーブルと比べればコストは半額未満です。性能の良いCXPケーブルのコストは50~90ドル(およそ42~76ユーロ)の範囲に収まりますが、一方でCamera Linkケーブルでは150~200ドル(およそ128~170ユーロ)になることもあります。

  • 課題

    • GigEやUSBインターフェースとは異なり、CXPの実装には適切なプラグインカードまたはフレームグラバーを必要とします。これは、CXPが、GigEやUSBのように標準的なPCアーキテクチャに含まれているわけではないためです。したがって、CXPインターフェースで標準的なイーサネットインフラストラクチャを使用してデータを転送することはできません。

    • 高フレームレートの高解像度カメラでは、最大消費電力がCXPのシングルレーンでサポートされる13 Wを上回ることがあります。そのため、バンドルケーブルでの複数レーン電力供給が可能な高価なフレームグラバーなど、複雑性が増したPoCXP設計が必要となります。そうしたケースでは、PoCXPがサポートされない、あるいはメリットが少なくなるといった可能性があります。

    • ほとんどの場合、CXPベースのビジョンシステムのトータルコストは、GigEやUSBのシステムよりも高くなります。 ただしこれについては、実際にアプリケーションにとってCXPの性能が必要であれば問題とはならないことが多くなっています。

  • 一般的な適用事例

    • 防衛産業および医療: 既存の同軸ケーブルシステムへの統合のしやすさ、長いケーブル長、高速なデータ転送、リンク共有などのCXPが備える複雑なデータ受け渡し機能は、この種の適用事例において有用です。典型的な適用事例としては、状況認識、対象測位システム、国境および入国監視、手術のライブビューイングなどがあります。

    • 産業用マシンビジョン: 低ジッターであり低レイテンシ、高速でのリアルタイムのトリガー実行、堅牢で柔軟なケーブルにより、CXPは厳しい産業環境で優れた性能を発揮しやすくなっています。

第5章 USB3 Vision (Universal Serial Bus 3)

USB3 Vision規格はUSB 3.0規格から派生したもので、マシンビジョンアプリケーション向けに特化する形で定義されたいくつかの変更と調整が、トランスポート層に加えられています。 USB3 Vision規格内では、USB 3.0とUSB 3.1(Gen 1)が5 mのケーブル長で400 MB/s(3.2 Gbps)をサポートし、 USB 3.1(Gen 2)が1 mのケーブル長で900 MB/sの帯域幅をサポートします。

USB3 Visionは、主にそのシンプルさゆえに、屈指の人気を誇るマシンビジョンインターフェースへと成長しました。 そして、ほとんどのPCがUSB 3ポートを備えているため、初期に存在したチップセットの相性問題はほぼなくなりました。もっとも多いのは、顕微鏡やスタンドアロンの検査システム(統合処理ユニットを利用したもの、あるいは十分にインターフェースのケーブル範囲内(1~5 m)となる場所に置かれた近くのPCと接続されたもの)などにおける単一カメラ構成での使用です。またそれだけでなく、スター型トポロジーでUSB 3ハブを経由して接続された複数カメラ構成もサポートします。

USB cable
USB3 Visionコネクタ
  • USB3 Visionインターフェースのメリット

    • USBは、コンピュータや周辺機器への接続にもっとも多く使われる、標準化された方法です。

    • 標準的なPCアーキテクチャの一部として、バスやケーブルなどのパーツ交換は簡単でコスト効率に優れたものとなっています。

    • 最新のUSB3 Vision規格は完全なプラグアンドプレイです。大多数のケースにおいて、カメラとPCチップセットの間で相性の問題は発生しません。

    • 帯域幅の増加と信頼性の向上によって、USB3 Visionは急速にFirewireおよびUSB 2.0の両インターフェースに取って代わりました。USB3 VisionインターフェースはUSB 2.0との後方互換性を持つため、ネイティブのUSB 2ビジョンシステムから簡単にアップグレードできます。

    • USB3 Visionは、速度と解像度が極端でない限り、複数カメラ設定において高い互換性と機能性を有します。

    • USB3 Visionの基本設計はGenICamに基づいているため、プログラマが一貫性を保ちやすく、GenICamベースの他のインターフェースとの相互運用性が向上します。

    • Camera LinkやCoaXPressのリアルタイムに近い性能には及ばないものの、GigE Visionなどのネットワークインターフェースよりも低レイテンシかつ低ジッターです。

    • 画像サイズの可変性:USB3 Visionでは、画像についての情報をホストにあらかじめ渡すことにより、さまざまなサイズで画像を送信できます。

    • 低いCPU負荷:ゼロコピー(ダイレクトメモリアクセス、略称DMA)の使用により、画像検索に必要なCPU負荷が極めて低く抑えられます。

    • USB 3.0では、接続機器に4.5 Wの電力を供給できます。そのため、多くのベーシックなカメラは追加電源不要で動作可能です。

    • その簡素さによりシステムコストを削減できる一方で、速度は標準的な1000BASE-T GigE Visionの3倍です。

  • 課題

    • USB 3.0 Visionのケーブル長は5 mまでに制限されているため、特定の種類のアプリケーションでは他のインターフェース、中でもGigE Visionに対して極めて不利となります。

    • 4.5 Wという電力供給は高性能カメラや高解像度カメラにとっては不十分なことが多いため、そうしたカメラではUSB3 Visionインターフェースは使用できないか、あるいは別の電源接続が必要となります。

    • USB 3.0は幅広いPC周辺機器に使われている民生用インターフェースの筆頭であることから、産業用のケーブルやハブ、その他の機器の選定には注意が必要です。多くの民生レベルのUSBアクセサリはマシンビジョンアプリケーションの要件には耐えられず、結果として安定性の欠如、貧弱なパフォーマンス、現場故障へとつながります。

  • 一般的な適用事例

    • プラグアンドプレイ: 卓上で使えることや、プラグアンドプレイ機能で知られるUSB3 Visionは、顕微鏡、スタンドアロンの検査システム、ポータブル検査機器などにおいて人気のインターフェースです。

    • 複数カメラ環境: ハブベースの接続形態を用いるUSB3 Visionは、ロボットアーム上の3Dビジョン、自動運転車、360度ビューを提供する複数カメラのバーチャルリアリティ「頭部」など、それほど高速でない、さまざまな種類の複数カメラ環境において効果的な利用が可能です。

第6章 埋め込みビジョンアプリケーション

他のあらゆるデジタル技術と同様に、小型化の波はマシンビジョンアプリケーションおよび関連システムにも影響を及ぼしています。従来型のマシンビジョンシステムは比較的大規模で、産業用PC、カメラ、その他の必要なアクセサリで構成されています(その他のアクセサリには、電源、トリガー、データを扱うためのケーブルや、特別なリアルタイム同期機能によって高速画像取得を処理するためのアドインカードまたはフレームグラバーなどがあります)。 長年にわたってPCは、さらに強力に進化しつつ、サイズを小さくしてきました。それと並行して、マシンビジョンカメラのサイズも劇的に小型化しました。

この小型化の波によって、埋め込みビジョンシステム全体の成長と繁栄が実現することになりました。従来のマシンビジョンシステムが高性能アーキテクチャを備え、ビジョンに関連したマルチタスク機能を実行できるよう設計されていたのに対し、埋め込みビジョンシステムは、対象のアプリケーションに特化した機能のみを実行するための設計となっています。埋め込みビジョンシステムには完全なPCアーキテクチャの代わりに、短いケーブルのインターフェースを使って比較的小さいカメラに接続できる、システムオンチップ(SoC)で構成されたプロセッサボードが搭載されています。小型化の実践のすべてが、低消費電力と安価な製造コストに直接結びついており、その向かう先はコンシューマベースのアプリケーションへと傾いています。埋め込みビジョンアプリケーションの場合、MIPI CSI、USB、独自のパラレル/シリアルインターフェースが一般的です。

USB 2.0は、古めのSoCの多くにおいて一般的なインターフェースとなっていましたが、帯域幅制限があるために高性能カメラモジュールをサポートできないことから、最後は他のインターフェースに敗北することになるでしょう。一方USB 3.0は、高解像度の帯域幅をサポート可能でありつつもLinux/ARMベースのプラットフォームと簡単に結合できるという特徴から、埋め込みビジョンでの人気を高めています。 埋め込みシステム向けの特に人気のプラットフォームとしては、NVIDIA Jetson Nano、Jetson TX2/TX2i、Jetson Xavier NX、Jetson AXG Xavierなどがあり、いずれもUSB 3.0接続をサポートしています。

Linux/ARM example - Jetson Nano and Go-X
Linux/ARMベースのプラットフォーム:NVIDIA Jetson NanoとGo-X camera
Linux/ARM example - Jetson Xavier and Go-X
Linux/ARMベースのプラットフォーム:Jetson XavierとGo-X camera

MIPI CSIは、スマートフォンモジュールをSoCに接続するためのもので、モバイルアプリケーション向けの普遍的インターフェースです。第2世代のカメラシリアルMIPIインターフェースであるMIPI CSI-2では、1レーンあたり毎秒300 MBのデータレートをサポートできます。これは、USB3 Visionがサポートする毎秒350 MBに比べてもそれほど遜色のない数値です。ただし、大半のSoCにおいて、サポート可能なMIPI CSI-2レーン数は最大で6です。

前述のNVIDIAカードすべてが1ギガビットイーサネット接続に対応しているものの、GigE Visionは、サポートする帯域幅の制限から、埋め込みビジョンシステムにおける人気のインターフェースとはなっていません。 とはいえ、追加の多機能キャリアボードをコンパクトな埋め込みシステムと組み合わせれば、10GigEのような高速もサポートできます。さらに、多機能キャリアボードなら、CoaXPressカメラやCamera Linkカメラなどの高性能で低レイテンシのインターフェースへの接続も実現しやすくなります。

埋め込みビジョンシステムの最終用途に応じて、今回紹介したそれぞれのインターフェースにはメリットと課題が存在します。極めてコンパクトなシステムを構築するという目的であれば、適切なインターフェースはMIPI CSI-2となります。 しかし、システム開発の初期コストが非常に高くなる可能性があり、また、USBのようなプラグアンドプレイのインターフェースではありません。USB3 Visionの課題は、ケーブルの柔軟性が比較的低いことと、コネクタのサイズが大きいことです。とはいえ、目的が最小サイズの埋め込みビジョンシステムの構築でなければ、そしてプラグアンドプレイが機能として重要なのであれば、適切な選択肢です。CXPとCamera Linkをベースとする埋め込みビジョンシステムは、イメージングシステムに高解像度と高忠実度が求められる適用事例向けです。 防衛産業、航空宇宙産業、輸送、高性能監視などがその例として挙げられます。

第7章 まとめと今後の展望

マシンビジョン向けに利用できるインターフェースは複数存在します。インターフェースの選択は、機能、コスト、統合、顧客からの支持などの点で、ビジョンシステムのパフォーマンス全体に重大な影響を及ぼす可能性があります。

アプリケーションごとに独自の強みと課題の組み合わせが存在するため、1つですべてのマシンビジョンアプリケーションに対応できる万能のソリューションはありません。 接続方法、帯域幅、コンポーネントのコスト、ケーブル長、レイテンシ、CPU負荷、ノイズ耐性などに関し、重要なトレードオフを行わなくてはならないのです。2つのインターフェースには多くの共通するメリットがあるかもしれませんが、特定の機能に関しては一方がもう一方よりも適した存在となるような、少数の重要な違いが存在することもあり得ます。

現在、人気の高い上位4つのマシンビジョンインターフェースを紹介してきた中で、GigE VisionとUSB3 Visionは標準的なITインフラストラクチャコンポーネントという点でベンダーが極めて多様です。一方、CoaXPressとCamera Linkはサプライヤー数に限りがあり、より特化型であると考えられています。ただしこの状況は、上記4つやその他のビジョン規格がいかに進化し、将来の機器やアプリケーションの要件に適合するのかによって変わる可能性もあります。

このガイドでは、お手元のアプリケーション向けの適切なインターフェースを決定するための出発点をお示ししました。しかし最終的には、ご自身の要件について、インターフェースに関する幅広い選択肢を提示してくれるカメラベンダーと話し合われるのがよいでしょう。ベンダーは、トレードオフの内容を分析して、最終的な選択にたどり着くための支援を提供することができます。

また、インターフェースに関するさまざまな選択肢があることで、評価が簡単になる場合もあります。最終的なシステムには別のインターフェースを用いるつもりだとしても、あるインターフェースを使って特定のカメラ機能を評価する方がやりやすいこともあり得るのです。

どんなビジョンアプリケーションであれ、確実に良い結果を得るために、利用できるマシンビジョンインターフェースのオプションについて時間をかけて理解するようにしてください。

お手元のアプリケーション要件に合った完璧なマシンビジョンインターフェースを見つけるお手伝いをいたします

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