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近赤外感度が大幅にアップ 新マルチスペクトラルカメラ『AD-130GE』

 

JAIのマルチスペクトラル2CCDカメラは、モノクロCCDで得られる近赤外域の映像と、カラーCCDで得られるカラー映像を1回の撮像で同時に取得することができます。これにより、アプリケーションの付加価値を上げるだけでなく、検査速度の短縮とコストダウンを図ることが可能になります。

JAIでは、2007年7月に初のマルチスぺクトラルカメラ80万画素AD-080シリーズ」の販売を開始して以来、多くのアプリケーションにご採用いただき、様々な新しいソリューションを実現してきました。しかしながら、マルチスペクトラルカメラの導入をご検討中のお客様だけでなく、現在ご利用中のお客様からも更なる高解像度化、高感度化へのご要望は高く、AD-080シリーズの上位機種の開発に取り組んで参りました。そしてこの度、近赤外感度が大幅にアップした130万画素CCDを採用した新しいマルチスペクトラル2CCDカメラ『AD-130GE』をリリースいたしました。 

マルチスペクトラルカメラの仕組みと特長

AD-130GE は、ダイクロイックプリズムに高感度130 万画素モノクロCCDとカラーCCDの2 枚を貼り、レンズを介してカメラに入る光をプリズムで2 つの波長に分光することで、近赤外領域のモノクロ映像と可視カラー映像を1 度の撮像で同時に得ることができます。プリズムを使って分光することで、2 つのCCD は同じ光軸の光を受光し、2つの映像は完全に一致した角度・エリアを撮像することができます。そのため、従来2 台のカメラを
使って撮像していたアプリケーションや、複数回に分けて撮像を行っていたようなアプリケーションで、システムの簡素化やプロセスの短縮が可能になります(図1、2)。 

12台のカメラで撮像している場合
アングルや撮像距離などを一致させるにはカメラの据え付けが複雑になります。1台のカメラで撮像する2CCDカメラならこのような問題が発生しません。

 

2)複数の過程に分けて撮像している場合
2
台のカメラで正確に被写体の位置決めをする必要があります。また、周辺機器もそれぞれに必要になりコストがかかります。2CCDカメラは1回の撮像で済むのでシステム全体の小型化やコストダウンを可能にします。
 

 独自の設計技術を用いたプリズムブロック

 JAI では、マルチスペクトラルカメラに用いるダイクロイックプリズムの設計、製造も独自に行っています。AD-130GEは図3のようにダイクロイック面で波長を分光させています。レンズから入射した光は700nm 付近でそれ以上と以下の波長に分けられ、近赤外光と可視光の重なりがほとんどない分光特性が得られます(図4)。可視光用と近赤外
光用の照明を組み合わせて使うことでカラーとモノクロ近赤外映像のどちらも鮮明に撮像できます。さらに、AD-130GE に採用している高感度CCDは、AD-080 シリーズと比較し、800nm 付近で感度が約2 倍と大幅にアップしています。解像度は80万画素から130 万画素にアップしながら、ピクセルクロック51.324MHzで駆動することにより、読み出し速度は先行機種を上回る31 フレーム/秒を実現しています。また、機能および外形寸法など共通の仕様を採用しているため、互換性が高く先行機種からの置き換えも可能です。

       

3 ダイクロイックプリズムを使用した2CCDカメラの構造

 

4 マルチスペクトラル2CCDカメラの分光感度特性(イメージ図)

各CCDの個別調整が可能

カラーCCD とモノクロCCD で受光された信号は、それぞれの信号専用に設計された2 つの回路に入力され、14 ビットに量子化されます(カメラ出力は、8/10/12bit)。カメラ内部に2 つの独立した信号回路を持つことで、2 つの異なる波長で撮像された映像信号のゲイン値などを個別に調整し、それぞれに最適な設定で撮像することができます。もちろん、CCDの駆動回路も独立しており、露光開始のタイミングや露光時間の設定も個別に行うことがでまする。 

AD-130GE』の主な仕様        製品情報ページへ

  • 撮像素子:1/3型プログレッシブスキャンCCD
  • 有効映像画素数 :1,296(H)× 966(V)
  • 画素サイズ :3.75μm × 3.75μm
  • ピクセルクロック :51.324MHz
  • フレームレート :31fps
  • 読み出し同期 :Sync/Async
  • 映像信号出力: カラーRGB 8/10bit またはべイヤー8/10/12bit、モノクロ8/10/12bit GigE Vision  ※CameraLinkモデルも発売予定
  • マニュアル/オートゲインコントロール(-3dBから+21dB まで ※カラーは0dBから)
  • プリプロセッシング機能(ガンマ補正、シェーディング補正など)
  • 400~650nm の可視領域(カラー)と、760~1,000nm の近赤外域(モノクロ)の画像を1 回の撮像で取得可能 ※ AD-080GEと比較し800nm付近で約2 倍の感度アップ
  • Cマウント
  • GigE Vision、GenICam標準準拠
  • カメラコントロール用SDK無償提供(当ホームページよりダウンロード)

用途例

食品検査(鮮果選別)
カラー映像で果物などの表面の色味や傷や成熟度を検査し、モノクロ近赤外映像で内部のダメージや腐食や害虫の有無などを検査できます。

食品検査(豆・穀類などの選別)
カラー映像を利用した外観検査と、モノクロ近赤外映像を利用した異物検査や選別などができます。(画像はコーヒー豆。豆の色成分を透過させることによりNIR映像では異物が黒く際立って見えます)

パッケージ検査
カラー映像でパッケージ表面の印刷検査を行い、モノクロ近赤外映像で内部の異物検査や充てん量の検査を行えます。同様に、プラスチック製品などで印刷の下に隠れた傷や欠陥の検査や、錠剤のブリスター梱包の検査などにも利用できます。


PCB検査
カラー映像による表面の部品検査と、モノクロ近赤外映像による内層の検査ができます。 このほかにも、紙幣や有価証券、宝くじなどの印刷検査では、可視光と赤外光を組み合わせて使うことにより、セキュリティのために含まれている様々な情報を検査することができます。また、医薬品の検査やヘルスケア機器、医療診断など医療関連での応用や、ITS(高度交通監視システム)やセキュリティ用途など、様々な分野での利用が見込まれます。

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